日本がオーストラリアにとって「とても身近な外国」である理由
2022.05.02
世界で母国語として話されている言語トップ3は、中国語、スペイン語、そして英語。世界の多くで学ばれる第二言語もまた、これらの上位の言語がほとんどを占めています。ところが、オーストラリアの学校で最も学習されている英語以外の外国語は、実は日本語。小学校から大学まで約40万人の学習者がおり、人口10万人あたりの日本語学習者の数としては、オーストラリアは世界第1位になります。その理由は、日本がオーストラリアにとって重要な存在だから。ちょうど南北に位置するオーストラリアと日本は、貿易などの経済交流が活発だったこともあり、1980年代から1990年代にかけて日本語学習が奨励されていたのです。その結果、オーストラリア全土に日本語学習者が急増しました。現在では、日本とオーストラリアの間に101の姉妹都市と6の姉妹県・州があり、交流が活発に行われています。
冬になると多くのオーストラリア人がスキーを楽しみに日本を訪れるのは、雪の質が好まれているだけでなく、言語学習や交流を通して、日本という国を身近に感じているからなのです。日本政府が主催する大規模な国際交流事業である「JETプログラム」により、多くのオーストラリア人が英語教師や国際交流員として日本各地で活躍してきたことも、大きく影響しているでしょう。
オーストラリアと日本の交流は、様々な面で活発です。2008年に日本で発足したオーストラリアの会員制ファンクラブ「クラブ・オーストラリア」では、日豪交流の情報発信などの活動を行っています。オーストラリア代表チームの試合ではナショナルカラーの金と緑をまとい、応援にかけつけるメンバーも多くいるそうです!
ビジネスの面では「在日オーストラリア・ニュージーランド商工会議所(ANZCCJ)」が、日本・オーストラリア・ニュージーランドの3国間のさらなる商業発展を目指す組織として1972年に発足しています。同商工会議所では「ANZCCJ Sports for Business」という委員会も設立され、スポーツの分野においても各コミュニティとの連携を推進したり、ビジネスの機会を提供したりするなど、様々な分野で活動を行っています。