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公園やビーチに公共のバーベキューグリルがあるって本当?
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ライフセービングの技術は、太平洋を超えてオーストラリアから日本に伝わったらしいよ。
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スポーツ大好き、オージーっ子!
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カンガルーがサンタのソリを引くクリスマス・ソングがあるよ!
日常生活
オーストラリアの人は仕事より個人のライフスタイルを優先する傾向があります。オフィスで残業する人は少なく、自分の生活や家族との時間を大切にしています。1日のうち平均4時間23分をリクリエーションとレジャーに費やしています。*1 余暇の時間では、テレビ・音楽鑑賞、読書のほか、スポーツや野外活動を楽しむ人もいます。シドニーでは、夏は平日でも早朝やアフターファイブに、近くにあるボンダイビーチやマンリービーチでサーフィンなどのマリンスポーツを楽しんでいる人がいます。
オーストラリア大陸上空では紫外線を吸収する大気圏のオゾン層が薄いため、人体に有害な紫外線が他の地域よりも強く降り注いでいます。子どもの時に大量の紫外線を浴びることが将来的な健康被害を高めるため、紫外線から子どもたちを守る対策がとられています。その一つが『No Hat, No Play(帽子をかぶらない子どもは遊ばせない)』。つまり、外で遊ぶ時は、帽子をかぶろう、というスローガンを掲げています。オーストラリアの子どもたちは、つばの深い帽子をかぶるとともに、日焼け止めも必ず使用するなど、紫外線対策に努めています。
欧米やアジアなど右側通行を採用している国が多いなか、オーストラリアでは、イギリスや日本と同じ左側通行です。そして、自転車に乗る際は、ヘルメットの着用が義務づけられています。
食文化
オーストラリアの食文化は、この国に移り住んできた人々が持ち込んだ、それぞれの異なった食文化に支えられ進化してきました。植民地の名残から、かつてはイギリス食文化の伝統を多く受け継ぐものでしたが、今日では、多彩な食べ物を味わうことができます。そのため、歴史的に典型的なオーストラリア料理と呼ばれるものはほとんどありません。
朝食は、一昔ほど前まではベーコンや卵料理などが主流でしたが、現在では、健康志向の高まりを受け、フルーツやジュースから始まり、シリアルやオートミール、トーストにバターやジャム、蜂蜜、ベジマイトなどを塗って食べるのが一般的です。昼食は、サンドイッチとフルーツ、また温かいランチとして、ミートパイやソーセージロール(ソーセージ用のひき肉をパイ皮に包んで焼いたもの)、フライドポテトなどを食べることもあります。このような食べ物はスポーツ・イベントなどでもよく売られています。 夕食も、肉料理に数種類の温野菜といった伝統的なイギリス式の夕食のみならず、ほとんどの家庭で米料理やパスタ料理、サラダなどが食卓に上ります。オーストラリアでは、オージー・ビーフとして日本でも親しまれている牛肉や、子羊肉が広く出回っていますが、豚肉、鶏肉もよく食べられています。またシーフードも非常に人気があります。
国内には様々な国のレストランがあり、タイ、イタリア、インド、日本料理などが特に人気を博しています。また、週末や休日になると、家族や友人たちと自宅の庭や公園、ビーチなどに集まってバーベキューをする人々をよく見かけます。オーストラリア式のバーベキューでは、オージービーフやラム肉、ソーセージ、海老などをグリルで焼き、別に用意したサラダやパン、デザートなどと一緒に楽しみます。バーベキュー文化が根付いているオーストラリアでは、公園などの公共スペースの多くに、人々が気軽に利用できるバーベキュー用グリルが設置されています。
オーストラリアはワイン生産大国で、世界中の多くの国にワインやビールを輸出しています。オーストラリアでは18歳からお酒を飲むことが許されています。
ブッシュ・タッカーはアボリジナルの人々が伝統的に食べてきたオーストラリア原産のハーブ、木の実、カンガルーの肉などのことです。ブッシュ・フードとも呼ばれています。近年、食材として注目されるようになり、シドニーやメルボルンのレストランの料理に使用されるようになっています。
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さすが他民族国家というだけあって、食文化にも様々な国の伝統が反映されているんだね。ところで、オーストラリアで人気があるという「ベジマイト」って何なの?茶色いペースト状の食べ物みたいだけど、チョコレートクリームみたいな味がするのかな?
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「ベジマイト」のことを知ってるなんておどろいたわ。確かに、チョコレートクリームみたいに見えるかもしれないわね。でも、実は、これイースト菌を抽出して濃縮したもので、塩辛いのよ。ビタミンB群を多く含んでいるから肌にいいんですって。オーストラリアでは、みんなトーストやクラッカーなどに薄く塗って食べるのよ。
スポーツ
スポーツはオーストラリア人のライフスタイルに欠かせない重要な要素で、人々は年齢や社会的地位を問わず、一緒になってスポーツに参加したり、スポーツ観戦を楽しみます。温暖な気候のおかげで、水中スポーツを含め、年間を通じて様々なスポーツを楽しむことができます。ここでは、オーストラリアで人気のあるスポーツをいくつか紹介しています。
オーストラリアン・ルール・フットボール
オーストラリアン・ルール・フットボールは、オーストラリアの国技ともいえる、代表的な冬のスポーツのひとつです。一般的にオージー・ルールズあるいはフッティーの名で親しまれており、ビクトリア州以西で特に人気があります。競技はオーヴァルと呼ばれる楕円形の大きなグラウンドで行われ、各チーム、18名で競います。試合はクオーター(各25分×4)に分けて行われ、選手は点数を稼ぐため、ラグビー・ボールに似たボールを足で蹴って相手チームのゴールポストに入れなければなりません。激しいタックルにもかかわらず、パットはほとんど使わず、ヘルメットもまったく使用しません。
楕円形の競技場
クリケット
クリケットはオーストラリアで非常に人気があるスポーツです。もともとイギリスで始まったスポーツで、主にイギリス連邦諸国内で盛んに行われています。クリケットは夏場に、楕円形のグランドで行われます。11人からなる2つのチームが打撃側と守備側に分かれて、革のボールとバットを使用してプレーします。ボールは野球ボールよりやや大きくて重く、縫い目は1つで、バットは幅が約10センチ、ボールを打つ表面が平らで、裏面が山形になっています。「テストマッチ」と呼ばれる伝統的なゲームは、通常5日かけて行われる2イニングの国内および国際試合のことを指し、テストマッチより投球数が少ない短いゲームは「ワンデイマッチ」と呼ばれ、とても人気があります。
クリケット
ラグビー
オーストラリアには、ラグビー・リーグとラグビー・ユニオンという2種類のラグビーがあります。ラグビー・リーグはプロのスポーツで、各チーム13名の選手からなります。長方形のグラウンドで、長円形のボールを使い、試合は前半と後半の各40分で行われます。ラグビー・リーグはオーストラリアの他、ニュージーランド、イギリス、フランス、パプアニューギニアでも行われています。一方、ラグビー・ユニオンは日本を含む130カ国以上で盛んに行われています。各チームは15名の選手からなり、点数の取り方などが多少異なりますが、ルールの多くはラグビー・リーグと似ています。
ネットボール
ネットボールは、オーストラリアで一番人気がある団体スポーツのひとつです。記録によれば、ネットボールが初めてプレーされたのは英国で、19世紀末のことでした。現在、オーストラリアを含め世界中約50カ国でプレーされています。バスケットボールと少し似ていますが、ゴールポストのリングの後ろにバックボードはありません。また、バスケットボールと違って、選手はドリブルできず、ボールをパスしながら、前に進めていきます。ネットボールは伝統的に女性のスポーツですが、今では男性や少年も地域リーグでプレーしています。
水中スポーツ
国民の大半が海辺からそう遠くない地域に住んでいるオーストラリアでは、水中スポーツが人気のレクリエーションのひとつとなっています。人々は、水泳やサーフィン、スキューバ・ダイビング、セイリング、モーターボート、釣りなどをして水辺のスポーツを楽しみます。このような背景から、水難事故を防ぐため、ライフセーバーと呼ばれる水難救助員がビーチをパトロールし、必要に応じて、ボートを使ったり、泳いだりして、人命救助を行います。国内のライフセービング・クラブには約2万5,000名のボランティア・スタッフがいて、非常時に迅速かつ効果的な対応ができるように、スピードや技を競う大会を開きスキルアップを図っています。
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1983年のオーストラリア・サーフ・ライフセービング協会員による訪日をきっかけに、日豪ライフセービング交換プログラムが発足したのよ。以来、日本のライフセービング技術はオーストラリアの技術をモデルとしているんですって!
オーストラリア全土で親しまれるライフセービング
国民の祝日
オーストラリアには、次のような祝日があります。こちらで紹介しているのは全国共通の国民の祝日ですが、この他に各州独自の祝日もあります。
元旦
オーストラリア人は、日本人と同様、1月1日に元旦を祝います。大晦日は家族や友人たちと一緒に遅くまで起きて、料理やお酒を楽しみながらカウントダウンで新年を迎えます。深夜0時になると『蛍の光』を歌う人もたくさんいます。
オーストラリア・デー
1月26日はオーストラリアの建国記念日にあたるオーストラリア・デーです。1788年のこの日、英国海軍士官アーサー・フィリップが、多くの受刑者と護衛を乗せた11隻の船でポートジャクソン湾 (現在のシドニー湾) に上陸し、入植を開始したことを記念した祝日です。今日では、新しくオーストラリアの市民権を得た人々が、証書を授与される式典などが行われる日として重要な役割を担う日でもあります。
アンザック・デー
オーストラリアでは毎年4月25日にアンザック・デーを祝い、戦争で戦った人たちに敬意を表します。1915年のこの日、オーストラリア・ニュージーランド陸軍連合軍 (アンザック軍団) がトルコのガリポリに上陸し、第1次世界大戦における重要な戦いを戦いました。8か月の悲惨な戦況で何千人という兵士が命を落とし、最終的には撤退を余儀なくされましたが、その後、大変悲惨な厳しい状況の下で戦った勇敢な兵士の話が広まり、オーストラリア国民としての意識や愛国心が確立されていきました。この日野外で行われる夜明けの礼拝や午前中の軍のパレードには退役軍人や現役軍人を含め何千人という人々が参加し、第1次世界大戦以降の戦争で亡くなったすべての兵士に敬意を表します。
さくさくとした歯ごたえの「アンザック・ビスケット」のレシピ
復活祭
イースターは、イエス・キリストの復活を祝う、キリスト教徒にとっては最も重要な祭日のひとつです。イースターは秋分(北半球では春分)後に迎える最初の満月の次の日曜日に祝われるため、年によって日付が変わる移動祝日です。キリスト教徒は、教会での礼拝に出席し、ホット・クロス・バン(ドライフルーツの入った甘い菓子パンで上に白い十字が入っている)などでお祝いをします。また、復活の象徴である卵(通常はチョコレートエッグなど)を屋内や庭などに隠して、子どもたちに探させるエッグハントといった遊びも行われます。オーストラリアでは、イースター直前の金曜日であるグッド・フライデー(聖金曜日)および、復活祭翌日のイースター・マンデーが合わせて休日となり、秋の連休となっています。
女王誕生日
女王誕生日は英連邦諸国の元首でオーストラリアの女王である、エリザベス2世の誕生日を祝う日です。オーストラリアでは通常6月の第二月曜日(西オーストラリア州を除く)を女王誕生日としていますが、実際にエリザベス女王が生まれたのは4月です。イギリスではキング・ジョージ5世(1865年6月3日生)が君主であった頃から、彼の生まれた6月に君主の誕生日を祝ってきたため、現在もこの名残で6月に女王誕生日が祝われています。オーストラリアではこの日は祝日ですが単なる記念日にすぎず、特別な伝統があるわけではありません。
クリスマス
クリスマスは12月25日で、オーストラリアでは夏にあたります。このため、オーストラリア人はクリスマス休暇の一部を家族とビーチで過ごすこともよくあります。サンタクロースは、日本の子どもたちのところにやって来るように、オーストラリアの子どもたちのところにもやって来ます。オーストラリアで人気のあるクリスマス・ソングには、6匹の白い大きなカンガルーが真夏の太陽の下、サンタクロースのソリを引いている情景を歌ったものもあります。
ボクシング・デー
オーストラリア人はクリスマスの翌日、12月26日にボクシング・デーを祝います。これはイギリスから持ち込まれた祝日ですが、かつて、クリスマスにも働いていた裕福な家庭の召使いが翌日に休めるようにしたのが始まりとされています。メイドがいる家庭では、彼らに箱に入ったギフト(通常はお金)を与え、感謝の気持ちを表しました。またこの日には、クリスマス前に貧しい人のために寄付を募った教会が寄付箱を開けて中のお金を配りました。これらがボクシング・デーという名前の由来になったとされています。このような意味合いが薄れた現在は、単に、夏の休みが1日増えたことをみんなで楽しむ休日となっています。